俺の舌癌

海外赴任先のタイ、バンコクでステージ1の舌癌が発覚した男の手記。

初診 in バンコク

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タイで就労ビザを持っている外国人は、日本の社会保険のようにタイ国内の病院で利用出来る保険証を持つことが出来る。

日本の社会保険国民健康保険と違うのは、原則指定された病院でしかこの保険が利用出来ない、という点にある。

 

俺はこの4年半、お陰様で大きな病気も怪我もなく過ごしてきたので、タイの病院に厄介になったことは一度も無い。

今回、初めての診察がまさか口内炎とは思ってもみなかった。

 

日本から帰国し、数日後。

バンコク市内の総合病院であるK病院へ。

 

パスポートと、保険証を提示し、口内炎が2ヶ月程度、治らない旨を窓口で伝え、しばしロビーで待機。

ちなみに俺は、タイ語も英語も日常会話程度は問題ないのだが、医療ワード系はほぼ無知に近い。

ここは日本語の話せる医者も通訳もいない。

問題ないだろう、と思っていた。

所詮、タチの悪い口内炎

キョーリョクな薬を貰って、数日様子を見れば治るだろう。

 

現に担当した医者も俺の舌を見て、何か医療キーワードを早口でまくし立て、

ものの1−2分で診察は終了。

帰りに塗り薬とカプセルの薬を貰っておしまい。

 

「これでまだ治らなかったら又、来てください。」

 

そう医者が最後に告げたのは理解できた。

 

その必要はない。

その時はそう思っていた。

 

2017年6月上旬。