俺の舌癌

海外赴任先のタイ、バンコクでステージ1の舌癌が発覚した男の手記。

染みるぜ、エビバデ

f:id:orenozetsugan:20171006141559p:plain

 

今回は、中々治りの悪い口内炎

バンドで歌うのも痛くて少しキツくなってきた。

そんな中、昔のバンドメンバーだった仲間が結婚するとの知らせが。

昔のメンバーが全員、式に集まるという訳で披露宴の余興で一曲、歌うことになった。

 

約1年ぶりのTOKYO。

空港のセブンで早速、おにぎりを買い、ゆっくりとフィルムを脱がし、じっくりと一口、一口、味わって喰らう。

 

泣きそう。

 

最早、帰国の際の恒例儀式。

しかし、今回はいつもの感動が少しばかり足りない。

口内炎が染みて、痛いのだ。

治りが悪いどころか、最近痛みが増してきている気がする。

 

とにかく式場へ急ごう。

到着すると懐かしのメンツが勢揃い。

痛みをアルコールで麻痺させ、久し振りにこのメンバーでの演奏。

楽しまなきゃバチが当たる。そして、何より友のめでたい宴を盛大に祝いたいではないか。

 

結果、痛みよりも、アルコールが勝った。

歌えはしたがその分、我ながら酷い歌だったと思う。

だが、もう俺はプロの歌手ではない。

気にすることはない。

 

その晩は久々に痛みを忘れ、飲んで飲んで飲みまくった。

翌日、翌々日、久々に日本のうまい飯を喰いまくった。

やはり、何を喰っても舌が染みて痛い。

ビールや焼酎、更に日本酒、

彼等がしばし痛みから俺を解放してくれるのが救いであった。

 

どうやら今回の口内炎は市販薬では治らないのかもしれない。

タイへ戻ったら病院に行って薬をもらおう。

 

2017年、5月。